食べることは、生きること やずや 食と健康研究所

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現在助成中の研究

(50音順・敬称略)

研究者所属および氏名 研究テーマおよび研究概要
東京大学大学院 医学系研究科
公共健康医学専攻 修士課程

伊藤 真理
「琉球列島における社会経済環境の変化と栄養転換(Nutrition Transition)の関係」
本研究では、沖縄県と鹿児島県・奄美諸島からなる『琉球列島』における地域集団の健康状態の変化を、社会経済環境の変化と栄養転換(Nutrition Transition※)の観点から社会疫学的方法により調査観察しようとしている。沖縄県の50歳代以下の若年層は、いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)等の疾病に対するハイリスク集団の割合が全国平均に比べ高いことが知られている。戦後の米軍統治により、沖縄県は食生活の欧米化が本州より10年進んでいるといわれるが、本研究によって日本全体の今後を占うこともでき、講ずべき対策の糸口を掴み得るものと考えられる。
※ Nutrition Transition:Popkinが提唱した概念で、時代の変遷とともに社会経済的影響により栄養摂取状況が量と質の両面で大きな転換を遂げることを指し、栄養素の摂取が低い水準から過渡期を経て安定状態に落ち着く現象をいう。

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公立学校共済組合 北陸中央病院
医療技術部 薬剤科 医療技術部長
(現 城西大学 薬学部
医薬品安全性学講座 教授)

金本 郁男
「低GI食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響」
低GI食の摂取が、2型糖尿病発症予防に有効であるとするエビデンスが蓄積されつつある。しかしながら、低GI食の種類毎の最適な摂取タイミングに関する知見は充分に得られていない。本研究では健常成人を対象とし、オリーブオイルと食酢を含むドレッシングを添加した野菜サラダを米飯の前に摂取した場合と、米飯の後に摂取した場合とで、食後血糖プロファイルの差異およびその時のインスリンプロファイルの変化を調べ、これら結果より低GI食を有効にいかすための食事指導の在り方を考察する。

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福岡女子大学大学院 人間環境学研究科
栄養健康科学専攻 修士課程

金本 郁美
「医療機関における中高年者に対する臨床栄養ケア・マネジメントの有効性の検証」
医療機関における患者ひとり一人への臨床栄養ケア・マネジメントは重要であるが、医療機関で職務に従事している管理栄養士の絶対数が全国的に不足している。本研究では、管理栄養士の業務に焦点を当て、その内容や勤務時間、および意識について調査し、その実態を把握しようとするものである。さらに本研究では、中高年者に対する臨床ケア・マネジメントの有効性、すなわち患者の予後やQOLを向上させる要因を、検査値などの科学的データから客観的に評価し、有効な臨床ケア・マネジメント手法の提案を目指す。

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佐賀大学 医学部
社会医学講座 法医学分野 教授
(現 東京女子医科大学医学部
法医学講座 教授)

木林 和彦
「食物誤嚥の要因分析と予防方法の考案」
高齢者医療で重大な課題となっているのが、加齢による食物誤嚥の問題である。一方、食物誤嚥には加齢以外の要因も考えられる。食物の種類や性状、飲酒酩酊、罹患状況などは、誤嚥または吐物吸引と深く関連しており、誤嚥が人々の日常行動と深く関係していることが推測される。本研究では、“食物誤嚥”の要因を、過去の事故例(剖検約300件)の検査記録から統計的に集計し、食事内容と日常行動や誤嚥との関係を明らかにして、その予防方法を考案する。

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近畿大学 農学部
食品栄養学科 公衆栄養学研究室 講師

郡 俊之
「親の手作り弁当を介した小学生に対する食育の効果」
日本では平成17年度から栄養教諭制度がスタートし、多くの小学校で『食育』が推進されている。ところが、食育の“活動報告”はあるものの、その有効性に関する信頼に足る報告は認められないのが現状である。本研究者は、昼食が給食でない近畿大学付属小学校において、親の手作り弁当を昼食とする小学生への食育効果を客観的指標(S-IgAなど)を用いてより科学的に評価しようとしている。先進的な研究である。

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新潟薬科大学 応用生命科学部
食品機能科学・食品分析科学研究室
准教授

佐藤 眞治
「食品摂取後の糖質吸収率及び中性脂肪動態に関する定量的解析」
食後の血糖値上昇が緩やかとされる低GI食品は、高血糖や高コレステロール血症に対して有効であるとの報告がある一方、その有用性を疑問視する報告も多数存在する。その原因は、従来のGI値の算出法、すなわち『食後血糖値のみを用いてGI値を算出する方法』では、“消化管での糖質吸収抑制によって得られた値”なのか“膵臓からインスリンが過剰に分泌された結果として得られた値”なのか、を判別できないためである。本研究では、膵臓からのインスリン分泌を忠実に反映した“真の糖質利用率算出法”の確立を目指す。

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東京大学大学院 薬学研究科/
情報学環 教授(併任)

澤田 康文
「インターネットによる医師・薬剤師向け健康食品情報交換システムの構築」
医薬品とは異なり、健康食品は市販後の有用性/ 有害事象が積極的にモニターされていない状況にある。そこで本研究では、既に研究開発されているインターネットによる医療従事者間情報交換システムを活用して、まずは医療従事者への科学的根拠に基づいた健康食品情報提供と医療従事者からのリアルタイムな健康食品の市販後情報の収集を実現することを目指す。本研究により、これまで見落とされていた健康食品関連情報を掘り起こし、さらに医療従事者にとっての実用性やリテラシーを考慮した健康食品情報を創製・提供することで、医療従事者の健康食品に対する意識を高めることができるものと考えられる。

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美作大学大学院 生活科学研究科
准教授

高橋 徹
「セルロース被覆米による血糖コントロールの試み」
現在、日本では糖尿病患者が増加し、社会問題化している。背景には、食生活の欧米化による摂取エネルギーの増加や消費エネルギーの減少などがあり、これらは社会環境的に見て予防が困難である。糖尿病患者治療では、薬物および食事療法による血糖値コントロールが一般的だが、食事に満足感が得られないことから、食事療法の効果は必ずしも充分には得られていない。 本研究者はこれまでにセルロースの微結晶に“耐糖能改善作用”があることを明らかにしている。本研究は、セルロース微結晶を無洗米表面にコーティングした『セルロース被覆米』の糖尿病に対する効果(機能性)をヒト試験で明らかにし、その実用性を評価しようとするものである。セルロース被覆米の効果が評価され、さらに実用化されれば、予防医学的・医療経済学的観点から意義深い研究になるものと考えられる。

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山口県立大学 看護栄養学部
栄養学科 応用栄養学研究室 講師

弘津 公子
「在宅高齢者の健康寿命の延伸に関連する要因について−粘膜免疫とADL・食生活・QOLの関係−」
前期高齢者(65歳〜74歳)に比べ後期高齢者(75歳〜)は身体的資源に乏しく、日常生活活動に障害をもつ割合が有意に高く、さらにこのことが精神的健康度合の低さと関連して社会参加・社会活動の低下に繋って、要介護状態へと移行することが先行研究により明らかにされている。本研究では、高齢化の進行した地域での後期高齢者の健康・食生活・QOLを調査し、併せて高齢者の免疫指標となるs-IgAを低侵襲的に計測することによって、各項目との関係から超高齢社会における健康寿命を延ばす関連要因について検討する。

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日本歯科大学 生命歯学部
解剖学第一講座 講師

三輪 容子
「離乳期における適正な離乳食の硬さと口腔機能の発達についての研究」
近年、離乳期に確立される咀嚼・嚥下機能が、その後の子の咀嚼・嚥下機能や顎、歯列の発育・形成に大きな影響を与える可能性が示唆されている。ところが、現在のところ離乳期のどの時期にどの程度の硬さの食品を摂取することが、それらに影響を与えるかよく分かっていない。そこで本研究では、離乳食の種類と咀嚼嚥下機能の発達との関連を科学的に裏付けるため、まず動物実験により餌の物理条件および与える時期と顎・口腔機能の発達との関連を分析し、割り出した傾向値に基づいて最適な離乳食の硬さや摂取時期を選定する。次に、離乳期のヒトの母子に対して、離乳食の食品の種類と咀嚼・嚥下に関する聞き取り調査を行い、ヒトの臨床発達例と動物実験の結果とを比較検討する。本研究の成果は、顎・口腔機能の発育・形成について、乳幼児期にどのような種類の食品を与えるのが望ましいかの指針を与え得る。

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九州歯科大学 機能育成制御学講座
顎口腔機能矯正学分野 教授

山口 和憲
「口呼吸がもたらす食生活習慣の変化と咬合育成について」
常習的な口呼吸は、鼻腔ではなく口腔を気道とするため、安静時では口を開けている時間が増加し、咀嚼時には咀嚼運動の時間やリズムを障害して食生活習慣をも変えてしまう可能性がある。また、歯列咬合および顎顔面の成長発育の障害による上顎前突、口唇の離開や口腔を気道とすることがもたらす咀嚼・嚥下障害などの食生活への為害性(体に害を与えること)が指摘されている。本研究では、歯列咬合や顎顔面形態に起因した口唇閉鎖機能不全である無力性口唇を口呼吸と区別した上で、呼吸様式を客観的に評価し、その後、口呼吸者の主観的評価、食生活習慣、口唇閉鎖機能、鼻腔通気抵抗等との相関性について検討する。

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