山口県立大学 弘津 公子
「在宅高齢者の健康寿命の延伸に関連する要因について−粘膜免疫とADL・食生活・QOLの関係−」 ◇助成研究評議委員 本研究は後期高齢者を対象として、非侵襲的に唾液中のIgA 濃度を粘膜免疫能の指標として測定し、在宅高齢者の健康寿命の延伸に関連する要因について検討しようとする意欲的な研究計画である。先行研究として、自立した在宅高齢者を対象として調査が行われているが、この例数を増やしてさらなる検討を加え、後期高齢者の粘膜免疫能とADL・食生活・QOLの関係を追及するという極めて独自性の高い研究である。 この成果は、必ずや今後の高齢者への日常生活においての栄養指導の面で大きく貢献するものと思われる。 ◇助成研究評議委員 後期高齢者の栄養状態を調べる方法は、すでにいくつか確立されていると思うが、医学的にではなく、栄養学・介護学の観点からのアプローチである点を評価する。つまり、患者に負担のかからない検査法が、高齢者にとっては不可欠であり、急がれることである。 計画提案者の略歴からいうと、国の援助などは受けにくいのではないかと推察され、本研究所が助成する意味は大きいように感ずる。 |