東京大学 伊藤 真理
「琉球列島における社会経済環境の変化と栄養転換(Nutrition Transition)の関係」 ◇助成研究評議委員 新聞記者としての長年の経験と、現在大学院で修得中の疫学的手法を活かした、応募者に最適な研究課題と推察する。日本社会、特に地方の社会・経済状況を的確に把握、適切に報道する記者の目と、共同研究(指導)者の先行研究や公衆衛生学(社会医学)的視点と疫学的研究手法により、「社会経済環境の変化」と「栄養転換」の関係が明らかにされるのではないかと期待される。 また、両者の関係を明らかにすることができない場合でも、一連の調査結果等をわかりやすい形で公表することにより、一般の人も「琉球列島の社会・食・健康の関係」に興味・関心を持つのではないかという点を高く評価した。 ◇助成研究評議委員 沖縄県の長寿は名高いが、そこでさえ、近年は大きな変化が生じ、沖縄県男性の平均寿命は驚異的に低下している。沖縄県と比較的よく似ている琉球列島での「栄養転換」がどうなっているかを調査する研究はほとんどない。 また、応募者は、社会人を経て、研究の道を再度志す意欲的な研究者と推察でき、当研究所の助成が大きな支援となることを期待する。 |