2024年度助成研究SUBSIDY WORK

(50音順・敬称略)

研究者所属および氏名 研究テーマおよび研究概要
東邦大学医学部 
社会医学講座衛生学分野

杉本 南
日本人アスリートを対象とした、スポーツ栄養の知識レベルを測る質問票の開発とその妥当性の検証
日本において、アスリートにおけるスポーツ栄養に関する知識レベルを評価するための、妥当性が検証された質問票は存在しない。本研究では、オーストラリアで開発された質問票をもとに、日本人アスリート用の「日本版スポーツ栄養に関する知識質問票」を開発する。そして、開発した質問票の妥当性を、公認スポーツ栄養士の資格を有する管理栄養士およびアスリートを対象とした質問票調査により検証する。
城西大学薬学部
栄養生理学研究室

矢島 克彦
ヒトの実生活における「エネルギーバランス」評価を可能とする尿中バイオマーカー 探索と自由生活環境下での実証試験
「エネルギーバランス」(食事摂取と消費のエネルギーバランス:EB)の異なる3 条件を設定したヒト臨床試験を行い、EBを反映して特徴的に増減する尿中バイオマーカーを同定し、自由生活環境下でも適用できるマーカーであることを実証する。EBのバイオマーカー確立は、痩せ(フレイル)および肥満(メタボリックシンドローム)が混在する「栄養障害の二重負荷問題」の解決につながる成果となる。
大阪大学大学院歯学研究科
有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座

豆野 智昭
咀嚼機能が食品摂取を介して軽度認知障害に与える影響:経時的相互関係の検証
本研究では,地域在住高齢者約600名を対象とする6年間の縦断調査から,咀嚼機能と食品摂取状態,ならびに認知機能低下の経時的相互関係を明らかにすることを目的とする.歯科治療によって改善が可能な咀嚼機能が,食品摂取を介して,認知機能低下に関連することが明らかにすることで,認知症予防の対策において,重要な知見を得ることを目指す.
静岡県立大学大学院 
薬食生命科学総合学府 食品栄養科学専攻

小木 ひかる
ニホンジカ、二ホンイノシシの内臓肉の食資源化に関する検討
近年、鹿や猪などの野生鳥獣による食害が大きな問題となっており、解決に向け国の政策として駆除が推進されている。捕獲数は年々増加する一方、資源として利用されるのはそのうち10%程度に留まり、特に内臓肉についてはほとんどが廃棄処理されている。本研究では鹿・猪内臓肉の食品としての利用可能性を検討することを目的とし、一般成分・機能性成分の分析、安全性の確認、官能評価を行い、栄養学的特徴を整理する。
東洋大学大学院
健康スポーツ科学研究科 栄養科学専攻

佐藤 日菜
1 日の中で、筋たんぱく質の分解速度が増加するのはいつか? 健常男子大学生を対象とした分割尿採取による非侵襲的検討
筋たんぱく質の分解速度が、夜間に日中よりも高値を示すか否か、また、日中において経時的変化を示すか否かを明らかにする。筋たんぱく質分解の実態解明は、筋量の維持・増加へ向けた適切なたんぱく質摂取タイミングの提案に貢献すると期待できる。また、本研究により、分割尿採取による非侵襲的な筋たんぱく質分解評価法の有用性が示されれば、今後の筋代謝研究における対象者の裾野を広げられると期待できる。
東京科学大学 環境・社会理工学院
社会・人間科学系 社会・人間科学コース

福家 冴佳
低体重女性における月経周期別の食後血糖値の検証 -標準体重女性との比較に着目して-
低体重女性では糖尿病の罹患の有無に関わらず耐糖能異常がみられる。また、食後血糖値の変動は月経周期により異なり、卵胞期と比較して黄体期に高まることが明らかになっている。そこで、本研究では低体重女性における月経周期別(卵胞期と黄体期)の食後血糖値を標準体重女性との比較に着目し検証する。本研究により低体重女性における月経周期別の血糖値管理のエビデンスの構築とともに血糖値を軸とした食事管理の提案を目指す。
安田女子大学 
家政学部 管理栄養学科

荻野 愛
商業雑誌が発信する健康情報と国民健康づくり運動の整合性の検証
商業雑誌が発信する健康情報と国の展開する国民健康づくり運動との関連について、計量テキスト分析により明らかにする。1978年度から2023年度までの各期間で展開された国民健康づくり運動で示された目標に合致する雑誌索引がどの程度存在するかを明らかにすることで、商業雑誌が発信する健康情報と国の施策との整合性を検証する 。さらに、二次予防から一次予防へ方針変更された時期の雑誌索引の変遷について考察する。