【一般部門】
国立大学法人 東北大学大学院歯学研究科
口腔病理学分野
清水 良央
「生命進化を支えた"食"の適応としての歯根形態系統樹の構築」

◇助成研究評議委員

生物は進化の過程で環境に適応し、その形態や行動様式を変化させてきた。もちろん、歯も食性の変化に伴って様々に変化してきたことは、想像に難くない。歯は、その構造から、一般的に「見えている部分=歯冠」と、歯茎の中に収まっている部分=歯根」に分けることができる。生物の進化に伴う歯冠の研究に比べて歯根の研究はそれほど多くない。歯根形態系統樹は貴重な資料となるだろう。

◇助成研究評議委員

本研究は、歯根形態とヒトまでの食性の変遷との関係について検討することを目的として、日本国内で所有されている各種動物乾燥頭蓋標本を用い、CT画像データーベースを作成して解析を行うという、ユニークなテーマである。生物の進化における歯根形態の変化が明らかにされ、ヒトに最も適した食事を考えるためのエビデンスが得られることを期待したい。