【一般部門】
大阪府立大学 地域保健学域 
総合リハビリテーション学類 
栄養療法学専攻
今井 佐恵子
「夕食の分食が血糖変動に与える影響に関する臨床介入研究」

◇助成研究評議委員

糖尿病患者の夕食の内容は勿論,それを摂る時間によって、翌朝の空腹時の血糖値に与える影響が変わることは、よく想像されることである。本研究においては、夕食を夕刻(18時)、遅い時間(21時)と二回に分けて食べた時の血糖値変動を3日間にわたって観察することによって検討している。これによって夕食を分けて食べることによって、糖尿病患者の食生活への新しい視点を求め、ひいては合併症の進展抑制効果を探り、健常者の生活習慣病の発症予防に対してもその科学的根拠を求める重要な研究と思われる。

◇助成研究評議委員

健康のためには「一日三食を規則正しくとる」のは常識である。また、肥満防止のためには、夜遅い時間の夜食はできるだけ食べないほうがいいことも、かなり確かである。しかし、実生活は原則通りにはなかなかいかないこともまた事実だ。仕事のつごう等で、夕食時間が遅くなってしまったり、夕食を2回に分けて食べなければならなかったりする人は、けっして少なくない。そういう状況にある人の糖尿病をはじめとした生活習慣病予防のために、不規則な夕食の影響を調べる「現代的な」研究である。

◇助成研究評議委員

夕食の摂取方法の違いが、血糖変動にどのような影響を与えるか、非常に興味深いテーマであるが、人を対象にした臨床介入研究の実施は非常に難しい。本研究は、生活習慣病専門クリニックにおいて糖尿病専門医の責任指導の下に、糖尿病患者と健常者を対象にして、食事介入試験が無作為化クロスオーバー法により実施されることになっており、その実施可能性と成果が期待される。