【一般部門】
東京医科歯科大学大学院 保健衛生学研究科
小児・家庭発達看護学分野 
弓気田 美香
「「食物アレルギーのある子どもを持つ母親の育児ストレスと抑うつ」」

◇助成研究評議委員

食物アレルギーは食物の種類(どの食品?)に注目が集まりがちですが、食物アレルギーの子どもをもつ母親の苦労はたいへんです。その育児ストレスに着目した研究であり、現実を直視し、社会ニーズに応えるとても重要な研究であると思います。

◇助成研究評議委員

食物アレルギーのある本人(子ども)の肉体的・精神的ストレスに関しては、多くの調査・研究が知られている。ただし、本人と同様のストレスにさらされるであろう母親に対する調査・研究はそれほど多くない。子どもの食物アレルギー軽減に伴う、母親の育児ストレスや抑うつ状態の変化を見るというのも、重要な課題であろう。母親だけではなく、父親をはじめとする家族環境への影響も確認したい。

◇助成研究評議委員

食物アレルギーのある乳幼児が増えており、それに伴い保護者の育児負担は大きくなっていると考えられる。食物アレルギーの子どもの母親の育児ストレスの実態を、対照と比較して明らかにし、抑うつとの関係や母親のストレス要因が明らかになれば、今後の育児支援対策の基礎資料の構築に役立つ有意義な研究である。症例・対照各600名を対象に調査を行うのは大変なことであるが、実施計画が詳細に記されており、申請者の過去の実績と経験を活かし実施環境も整っていることから、有意義な研究成果に期待したい。

◇助成研究評議委員

 乳児における食物アレルギーの発症率は10人に1人といわれているが、母親の育児ストレスや抑うつ傾向を質問表による調査で検討しようという研究である。 食物アレルギーの子どもを持つ母親600名と健康な子どもを持つ母親600名を対象としている。 初回調査、6ヶ月後、12ヶ月後に同様な調査を行い、食物除去を必要とする食品の数と内容の変化と母親の育児ストレスや抑うつとの関連を調査するという。