【一般部門】
お茶の水女子大学大学院
応用栄養学研究室
齋藤 あき
「「家庭における子どもの存在が成人女性の食生活に与える影響」」

◇助成研究評議委員

「親の生活習慣や親の食習慣が子どもの食習慣にどのように影響しているか」を調べた研究は欧米諸国に多数ありますが、その逆(子どもの存在が親の食習慣にどのように影響しているのか)を調べた研究は見たことがありません。感覚的には「あるある」と思いますし、それによって親の健康が左右される可能性もあるのではないかと想像されます。このように身近なことをきちんと科学してゆこうとする姿勢はたいせつであり、本研究助成にぴったりの研究だと高く評価したいと思います。

◇助成研究評議委員

親の食生活が子どもの食生活に影響を与えることは、容易に想像できる。同様に、子どもの存在によって親の食生活が影響を受けることも、また当然であろう。しかし、その研究が国内外(とりわけ日本において)少ないことは意外であった。500人の研究協力者を集めることは容易ではなかろうが、研究チームも確立できているようなので、粘り強く進めていただきたい。将来、「子育て経験の有無によって、生活習慣病に対する罹患率がどう変化するか」などへとテーマが広がる可能性も秘めている。

◇助成研究評議委員

 小さな子どもの存在は、母親の食習慣や食物摂取に影響を与えるのではないかという、ユニークで興味深い研究である。23~44歳の既婚女性500名の対象者を募る手段として、本人と共同研究者の同窓会や友人ネットワークを利用し、データ収集にメールを活用することや、調査協力に対して謝金ではなく、健康管理に役立本人の結果を返却するなど、調査手法に若手研究者らしい爽やかさが感じられる。予備調査を行った上で実施計画を立てており、有意義な成果に期待したい。

◇助成研究評議委員

質問表による調査の手法により、家庭における子どもの存在が成人女性の食生活に与える影響を調査しようとの研究である。 夫婦のみで暮らす既婚女性と夫婦と子どもで暮らす既婚女性を対象として、成人の食習慣における子どもの存在の影響を調べ、食育の在り方を考えたいとしている研究である。