【チャレンジ部門】
早稲田大学大学院
人間科学研究科
代表者:長野 恭子(松本拡、美根早由里)
「子どもの肥満に対する介入における行動科学的指標に関する検討」

◇助成研究評議委員

認知行動療法の考え方を基盤とした子どもと養育者への食事や運動の指導が、子どもの肥満改善に効果をあげているとみられている現在、これを示す効果指標が明確でないところから、効果指標として有用な指標を確立したいとの目的とした研究の試みである。
この目的のために、「食べること・身体を動かすことに関する概念」と「快―不快の概念」との意識できない結びつきを測定するという課題を用いようとしている。 自己報告式の尺度で調査するとのことであるが、具体的な質問項目が明らかでない。なにを聞いて、どういう判断に導くのかが聞きたいところであろう。

◇助成研究評議委員

長野氏の研究は、内容も大変に興味深いものであるが、加えて、提出された研究計画書がきわめて適切に書かれていることが印象に残った。その点に関してはチャレンジ部門の枠を超えて、一般部門としてもハイレベルだといえよう。研究目的や方法や予想される結果などを、明確に伝える能力と努力を評価したい。また、研究助成金要望のための書類としては重要な位置を占める「研究経費の詳細」についても使途等が明快であり、まぎれがない。
今後、チャレンジ部門への計画書提出を考えている若い研究者の参考になるであろう。

◇助成研究評議委員

博士前期から後期へ進学するに当たっての応募ということで、研究計画が具体的に記されており、真摯で誠実な姿勢と気迫が感じられた。ただ、顕在的指標と潜在的指標を具体的にどのようにして調査・推定するのか、またその判断基準は?など、研究の内容については不明な点が多いので、成果報告の段階で詳細にわかりやすい形で提示され、論文化に至ればと願っている。