【一般部門】
医療法人 慈泉会
ひもろぎ心のクリニック

野口 律奈
「うつ病休職者の社会復帰プログラムとして調理実習は有用か?-調理実習プログラムによる「業務遂行能力」の変化の評価に関する研究」

◇助成研究評議委員

うつ病患者の増加対策として調理実習を役立たせようとの計画はよく聞くところであるが、うつ病そのものの原因、そしてそれぞれの生活環境の多彩さから治療効果を得ることの難しさも指摘されていることである。 このうち、業務遂行能力に注目することによって,復職を妨げる認知機能障害を見て行こうという点には注目したい。

◇助成研究評議委員

うつ病そのものの治療に有効かどうか、という医学・栄養学的な研究ではなく、患者の社会復帰に調理実習が有効かどうかという社会学的な研究。野口氏は、うつ病患者の社会復帰を妨げている業務遂行能力を高めるためには「調理実習が有効ではないか」という推論をたてている。有効であることが証明できれば、激増しているといわれている患者にとって朗報となることは間違いない。

◇助成研究評議委員

実際にクリニックで行っている、うつ病休職者の社会復帰に調理実習が有効か、特に業務遂行能力から評価しようという試みは非常に興味深い。業務遂行能力の評価ツールを開発し、的確な指標を用いて、コントロール群と比較をすることにより、調理実習の有効性を検証することができれば、実践栄養活動の科学的根拠となる。2年計画で研究体制も整っており、有意義な研究成果が得られることに期待したい。