愛知学院大学歯学部
顎顔面外科学講座


渡邉 哲
「「成人の至適嚥下量の検討」」

◇助成研究評議委員

◇助成研究評議委員

これまでに同氏は、チキンライス、カステラ、ヨーグルト、水という、ごくありふれた食品を用いて至適嚥下量の研究をしている。研究例を増やすことによって、至適嚥下量の「指標」作るための追加研究。一定の成果が見られれば、増加している嚥下障害患者への一助となろう。

◇助成研究評議委員

◇助成研究評議委員

近年は高齢者の増加に伴い、高齢者施設での誤嚥による肺炎での死亡例報告が多くなっていることへの認識はある。これに対して介護者が多忙のなかでも一回の食事の摂取量、嚥下量を食品の種類別に意識すべきことへの情報を与えることも極めて重要である。20歳代から80歳以上まで各年代のボランテイアを対象として、4種類の食品を用いて検討を行うという。
検討の手法も大変新鮮であり、頸部にマイクを装着して嚥下音を記録し、音声解析ソフトを用いて嚥下音波形の検討を行う計画である。この研究の成果が、介助者が多忙のなか適切に食事の介助が行え、摂食・嚥下機能障害患者さんが安全に機能回復の援助を受けられることに期待したい。

◇助成研究評議委員

◇助成研究評議委員

超高齢社会における健康寿命の命延には、摂食・嚥下機能の維持が不可欠である。高齢者の誤嚥を防ぐためにも、至適嚥下量の指標を確立することは有意義である。渡邊氏は歯科医師として、20~80歳代男女を対象に、性・年齢別の嚥下状況を調べ、至適嚥下量の指標の確立を目指しておられる。摂食・嚥下機能障害の予防や、摂食・嚥下機能障害患者のリハビリテーションに役立つ成果が得られることを期待している。