神戸女子大学大学院
家政学研究科食物栄養学専攻


北村 沙織 
「「昆布、酢昆布、とろろ昆布の血圧への影響」」

◇助成研究評議委員

高血圧に基づく諸疾患の罹患率、死亡率の高さに対応するように昆布を食することの効果を、動物実験にて基礎的に検討がなされている。昆布をどのような状態に処理して効果的かの検討は興味深いところです。昆布と酢を同時に摂取させた場合が、昆布単体よりも血圧の上昇を抑制する傾向を示していて、これを昆布による血管中膜肥厚抑制が考えられるとしています。一層の研究の発展が期待されます。

◇助成研究評議委員

当研究所の助成方針としては「ヒトの研究であること」が望ましいのだが、これはラットを用いた実験。しかし、日本の伝統食品が高血圧の予防や治療に及ぼす影響というテーマは、日本人の健康にとって、そして同時に当研究所の基本方針としてもきわめて重要である。ラットに酢昆布やとろろ昆布を一定量食べさせることができるのか、という課題にも果敢にチャレンジし、それなりの成果を収めた点を評価したい。

◇助成研究評議委員

助成金が適切に使用されており、条件付きであったにも関わらず研究内容が充実していたことなどが高く評価された。
今後は本研究を基盤として、新たな視点から研究を進めていって欲しい。
本件は、研究資金を必要としている学生・若手研究者を支援する、食と健康研究所助成金の考え方と合致する理想的な形であったと考える。