東北大学病院
障害者歯科治療部

後藤 申江
「「味の嗜好と咀嚼状況に関する研究-小児と成人での比較検討-」」

◇助成研究評議委員

好きな食べ物も嫌いな食べ物も、区別なくよく噛んで食べるようにという昔からの教育習慣をわかり易く理解させるのにはどうするか?大事なことですが、どうも名案は引き出せていないようです。今後のおおきな課題でしょうか?

◇助成研究評議委員

この研究では、必ずしも明確な結論を得ることはできなかったが、「好きな食品を食べるときと嫌いな食品を食べるときとでは、どちらが咀嚼回数が多いか」という研究は、将来的に、口腔機能向上訓練に役立つ可能性もあり、テーマ自体は興味深い。ただし、副題にある「小児と成人との比較研究」は、同じく咀嚼状況に関連するとはいえ、異なるテーマであるように感ずる。テーマを広げたために成果が絞りきれなかったのではないか、という危惧が残る。

◇助成研究評議委員

研究テーマは身近で興味深いものであったが、報告書の目的と結果(表と記載内容)が不明瞭で分かり難く、新規性のある有意義な結果が得られたのか不明である。
結局どのようなことが明らかになったのか、そのことに普遍性があるのか、生理的にあるいは先行研究等から判断して妥当な結果といえるのか、明示して欲しい。特に、好きな味と咀嚼回数、「丸のみのような咀嚼不全」とがどのように関係するのか、少なくとも報告書から理解することはできなかった。