◇助成研究評議委員

一食の中での具材の組み合わせや摂取順序が食後の血糖上昇に与える影響については、話題は多いが、しっかりした科学研究は極めて乏しい。質の高い研究成果（学術論文）が強く求められている分野であるため、成果を期待したい。

◇助成研究評議委員

食後の高血糖を抑制することが、単に糖尿病の発症やその進展を抑えることだけではなく、高血圧の発症や血管の動脈硬化の進展をも抑えることが、多くの研究から指摘されている。しかしながら、日常の食事においてどのような食事を、どのような組み合わせで、さらにはどのような順序で摂取するのが、食後の血糖値の変動に好影響を与えるのかについて、グライセミック・インデックスの見地からみた成績はわが国においては極めて少数である。

金本氏は従来の成績よりさらに実際的な食事との組み合わせを用いて、野菜サラダとカレーライスの摂取順序の変更で、食後の血糖値の変動にどのような変化がみられるのかを検証しようと計画されている。

このような研究は、日常での食事指導に極めて重要であるのに、今までわが国の糖尿病の食事指導においては、糖尿病専門医も保健師も、さらには食事指導の専門家である管理栄養士もほとんど注目してこなかった点である。しかし、これこそこれからの食事指導の第一歩なのである。

このような地道な研究が、わが国の日常の食事について広く活発に行われることに大いに期待したい。金本氏は昨年度の受賞者ではあるが、今年度もその受賞に充分に値する研究計画と認め、強く推奨したい。

◇助成研究評議委員

昨年度に続けての採択であるが、明確な研究目標と、堅実で着実な研究成果が評価された。特に、昨年度実施された「野菜サラダと米飯」というシンプルな組み合わせから、より実際的な食事の組み合わせを考えた研究計画が、科学的根拠に基づき実施され、生活習慣病予防に寄与する実践的成果に期待したい。

また、昨年度学会発表された「低GI食の摂取順序で血糖値が変わる～野菜サラダをご飯の前に食べると血糖上昇を抑制する」を、しっかりした学術論文にまとめて頂きたい。

◇助成研究評議委員

金本氏のこの研究は、第1回【やずや食と健康研究所】の助成対象となった研究の続編。昨年の研究では、野菜サラダと米飯のいずれを先に食べると食後ＧＩ値の上昇を抑えられるかというシンプルな研究を行い、野菜サラダを先に食べることが有効であることを示唆した。

今年はこの研究を実践的に押し広げ、野菜サラダとカレーライスの組み合わせや、ドレッシングの寄与率などを検証する。第１回の研究成果を、日本ＧＩ研究会で発表するなど、実行力の高さも評価できる。