新潟大学大学院
医歯学総合研究科
松山 順子
「「小児の成長に伴う一口量と咀嚼回数の変化に関する研究 」」

◇助成研究評議委員

食べるという現象に関する基本的な情報を得ようとする研究であり、極めて重要な課題であると高く評価する。一方、この種の研究の方法論は見た目ほど容易ではない。ていねいな研究を行い、着実な成果を上げることを期待したい。

◇助成研究評議委員

小児の発達段階に応じた「食べ方」を、「一口量と咀嚼回数」で明らかにし、食行動を咀嚼面から分析しようというユニークな研究である。

しかし、小児の一口量が一定していないという申請者の先行研究から判断する限り、状況に応じて異なる個人の一口量と咀嚼回数を定数化するための実験回数、発達段階(各集団)別に上記代表値を推定するのに必要な被験者数等を考えると、小児の成長に伴う変化を明らかにすることは容易ではない。どのようにしてその変化を明らかにするのか、具体的な実験計画を立て、着実に研究を進めて頂きたい。

◇助成研究評議委員

子供に魚肉ソーセージを自由に食べさせ、一口量を変化させると噛む回数や飲み込む時の食べ物の塊の大きさがどのように変わるかなどを、計測して分析するという研究。噛む様子をビディオ撮影する、あるいは、噛んだあとの食べ物を飲み込む直前に吐き出させて、その大きさを計測するなどのアナログ手法は、一見、アカデミックにはみえないが、地味で根気のいる仕事である。

「最近の子供は良く噛まないで飲み込む」などの指摘がされているが、小児では実験の難しさから、科学的根拠のある結果はまだ得られていない。